はじめに
文、文章、文書 これらの違いご存知ですか?
わたしはこの記事を書く6日前までは「 なんか違うかな? 」くらいにしか感じていませんでした。
と、いいますか、「 特に気にしていなかった 」というのが本当のところです (笑)
文とは?
では、先ず 文 とはなんでしょうか?
文字を書き始めてから、句点「 。 」を記入するまでの一区切りを文といいます。
例えば、《 寝坊した。 》という短いものでも文です。
また、
と、複数の行にわたって書かれたこの文も、句点「。」は一つなので文です。
長さは関係ありません。
また、俳句のような句点を書かないものはどうなのか?
という疑問にあたりました。
調べたところ、「 文は、普通は句点『 。 』で終わりを示す 」とのこと。
『 普通は 』との記述があるので、俳句などの句点「 。 」を使わないものでも、例外として文にあたるといえます。
文章とは?
文が複数あるものが文章です。
例えば、《 寝坊した。慌ててベッドから飛び起きた。 》は、句点「 。 」が二つあり、文が二つ( 複数 )になっているので文章であるといえます。
また、
このように句点を書き込んで複数の文を作ることによって、内容は同じものでも文章になります。
※ 最初の文に句点を書き込むだけだと不自然になるので、少々書きかえているところがあります。
文書とは?
文書は複数の文章を用いて書かれ、伝えたい内容を一まとまりにしたもののことです。
小説などをはじめとする書籍や、レポート、論文なども文書に該当します。
例外もあります。
俳句集などのように、文章ではなく文を集めた書籍も、文書に分類されます。
余談ですが、
作家の谷崎潤一郎さんは小説にとても長い一文を使っています。代表作の一つ「 細雪 」の中には、文が337文字という長いものがありました。きちんと探してみればもっと長いものもあるかもしれません。
因みに、先ほどわたしが書いた、《 寝坊して慌てて~~ 》という一文が165文字ですから、倍の長さがあるんですね!
以前、とある短編小説のコンクール受賞作に「規定文字数を長い一文で書いた作品があった」と聞いた覚えがあります。そのコンクールの応募規定は文字数4000字以内です。
最初の一文字から最後の句点「 。 」まで約4000字です。
この長い一文を作品として成立させる。すごいですね!
このようなことを書くと、挑戦したがる方がたまに出てきます。しかしどのような文章を書くにしても、分かり易い文は短い文です。長い文は分かりづらいです。
嘘だと思いましたら改めて読み比べて下さい。
一文です
文章です
如何ですか?
読みやすさの違いを実感して頂けましたよね?
では、文章の種類について書いていきます。
文章の種類を二つに分けると
文章は二つに分けることができます。
機能的価値のある文章と、感情的価値のある文章です。
難しいことのようですが、構える必要はありません。二つともあなたが日常的に使っている文章です。
ここでは、「 機能性のある文章と感情に訴える文章 」という言葉で説明します。
機能性のある文章とは?
機能性のある文章とは何かというと、事実を書き写したものです。
例えば、
・記録
・備忘緑 ( メモ )
・情報を伝達
さらに分類すると、
・勉学系 ―― 小論文、論文、学術書など
・仕事系 ―― 業務日誌、報告書、企画書など
・社会系 ―― 新聞記事、雑誌記事など
・説明系 ―― 辞書、取扱説明書、法律文など
・用件系 ―― ライン、メールなどで用件のみの文
・記録系 ―― 日記、メモなど
情報を伝達する文章は特に大切ですね。
人には「 知りたい 」「 解決したい 」ことがあり、それを解決するために必要な情報が書かれた文章が特に大事になってきます。
感情にうったえる文章とは?
感情にうったえる文章は、言葉のままです。
人が持つ、悲しいとか、面白いとか、嬉しいとか、感情に触れたり、感情を揺さぶり刺激を与える文章のことです。
さらに分類すると、
・日常系 ―― ラブレターなど
・文化系 ―― 小説、詩、短歌など
機能的な文章よりも少ないですね。
でも、この感情に訴える文章に使われている技術は必須です。
後々に解説しますので、少し心に留めておいて下さい。
機能性のある文章と感情に訴える文章は、読後感ではなく、その文章を読む目的で分類しました。
例外として
新聞記事はいつ、どこで、誰が(誰と)何々をした。
という客観的な情報を知らせる記事が主に書かれていますが、それでも記事を読んで感情が動くことがあります。
例えば、
政治家の汚職事件の記事を読んで頭にきたり、殺人事件の記事を読んで嫌な気分になったりと感情が動きますよね? このように機能性のある文章でも感情を動かすことがあります。
逆に、感情にうったえる文章でも感情に触れないこともあります。
例えば、
読んで感動の涙を流してしまうような小説でも、内容に全く興味のない人からすれば、心に触れるものはありません。
退屈という心境にはなりますけど (汗)
また、新聞記事を感動する為に読むという人はいません。説明書もそうです。
元気になりたい時に説明書を読んだりしませんよね?
まれにマニアな方が存在していて、説明書を読むのが趣味で「 読んでいるだけで幸せな気分になる 」なんて人もいます。
……いえ、未確認です。
結婚式の招待状は如何でしょうか?
何時、どこで、誰と誰が挙式をする。という情報と、あなたが出席可能か否かの質問です。
用件を伝える為の文だけですが、受け取った人によって、「 あ、あいつ結婚するのか。先を越された 」とか、「 三度目の結婚で式なんか挙げるなよ 」など、感情が動きます。
このように機能的な文章でも人の感情を動かすものは存在します。
結局のところ
受け手によって違うのだということを理解して下さい。
機能性のある文章では、「 役にたったぞ 」「 初めて知ったよ 」このような感想を抱いてもらえることを目指します。
そのためには書き方ではなく、内容の充実が肝心です。
※ なお、分類はわたしが勝手にしたもので、学術的な規定などは参考にしていません。
おまけ
散文と韻文とは?
文章について学んでいると目にする単語です。
わたしも目に留まりました。
いい機会ですので、意味を調べました。
・散文とは
散文は文字数などの決まりにとらわれずに自由に書いた文章のことです。
決まりのない文という解説と、「 散 」という文字によって受ける印象から、文章として一貫性のない、つじつまが合わない、「 とっ散らかった文章 」だと思ってしまいました。
しかし、そうではなく、日記や手紙、小説や随筆なども散文にあたります。
「 散 」は、制限のない、という意味にとらえるそうです。
・韻文とは
韻文は定型や韻律、文字数などの定まったものに則って表現される文章です。
「 五・七・五 」で表現する俳句。「 五・七・五・七・七 」で表現する短歌。
これらが韻文にあたります。
どちらも文字数、定型に則っています。
しかも、俳句には季語を入れるという約束事もあります。
韻文ではない文章が散文だと解釈すると分かり易いです。
まとめ
文書の基礎を取り上げました。
広く調べましたところ、見解が違う事項もあります。
突き詰めていくと限もありませんし、このブログの目的からしても拘るところではありません。
ですので、深く追及せずにいます。
悪しからず。
エージロー