『 ネットビジネス詐欺を分析する 』
消費者庁が公表した
「 画像選択がベースの簡単な作業でお金を稼げる 」
という件について僕なりに分析してみました。
注意喚起ということでこの記事を書いたのではありません。
もうこの業者さんは撤退していますので。
他の詐欺資料もみたのですが、
全て同じパターンです。
同一人物がやっているのか?
と思うくらい。
感心してしまうのは、
あざやかなくらい教科書どおりのセールスをしていることです。
ならば、
これを教科書にすればいいという発想の転換です。
詐欺はダメですが、
なかなかよくできています。
商品さえ間違いがなければ、
真っ当なビジネスとして成功するのではないでしょうか。
興味のある方は下のリンクから資料をご覧ください。
勉強してみようと思う方はそれを見て分析してみて下さい。
正解不正解はありません。
消費者庁のPDF資料です。
http://my57p.net/l/m/kIw4cLPPTMfpkr
「 アクセス面倒くせー 」
という方は下をお読みください。
「画像選択がベースの簡単な作業でお金を稼げる」などとうたい、多額の金銭を 支払わせる事業者に関する注意喚起
平成 29 年 12 月以降、「画像選択がベースの簡単な作業でお金を稼げる」などとうたう事業者に関する相談が各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。 消費者庁が調査を行ったところ、「株式会社 ferix」(以下「ferix」といいます。)との取引において、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(虚偽・誇大な広告・ 表示及び断定的判断の提供)を確認したため、消費者安全法(平成 21 年法律第 50 号) 第 38 条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表 し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。 また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
1.事業者の概要(注1)
名 称 株式会社 ferix(法人番号 1011701021159)(注2) 所在地 東京都新宿区天神町 68 グランディール 402 代表者 坂本 歩実
(注1)商業登記されている内容です。 (注2)同名又は類似名の事業者と間違えないようご注意ください。2.具体的な事例の概要
(1) ウェブサイトで勧誘します。
ferix は、SNS等の広告に「かんたん選択ビジネス」、「写真を選ぶだけで収入UP」などと掲載し、かんたん選択ビジネス(以下「本件ビジネス」といいます。)の ウェブサイトに誘導します。
ウェブサイトには、 「画像選択がベースの簡単な作業なので機械操作が苦手でも稼げる」 「たった数秒間の作業でも 10 万円 20 万円 100 万円と現実的に稼ぐことが可能」
「今なら5万円誰でも受け取ってもらえます」 などと記載するとともに、収入に関する情報を得るためにはメールアドレスを登録する必要があるとして、消費者にメールアドレスなどを登録させます。
また、ウェブサイトには、街頭インタビューを受けた女性が本件ビジネスを体験し 10 万円の収益を得たとする動画が添付されています。(2) 反響が大きいことをアピールするメールを送信します。
ferix は、メールアドレスを登録した消費者に対し、「現在○人待ちの状態です」「1時間に2~3人ほどご案内させていただいておりますので、明日のお昼には お仕事のご案内が出来るかと思います。」 などと本件ビジネスの反響が大きいことをアピールするメールを送信し、その後、別 のメールで本件ビジネスを申し込むためのウェブサイト(以下「申込み用ウェブサイ ト」といいます。)に誘導します。(3) 消費者に初期費用を支払わせます。 申込み用ウェブサイトには 「数分間の選択作業で簡単に 10 万円、20 万円、更には 100 万円以上の収益だっ て見込めます」「1日数分の作業で 10 万円~短時間現金化」「本カリキュラムでは画像を選択することで100万円以上の収益が現実的に見込 めます」「今なら最大5万円キャッシュバック付き」などと記載されています。
本件ビジネスの初期費用については 「12,000 円だけで誰でもこのビジネスを始められます」 と記載されているため、消費者は、5万円のキャッシュバックがあれば、損をするこ とはないなどと判断し、初期費用を支払います。初期費用は、消費者によって異なり 12,000 円より低い金額の場合もあります。 ferixは、初期費用を支払った消費者に対し、情報商材(「かんたん選択マニュアル」 という名称のPDFファイル)をメールで送信します。 情報商材には、閲覧者のニーズに合った動画を作成し、動画共有サイトに投稿して 再生回数を積み重ねることができれば、確実に報酬が得られることなどが記載されて います。また、ferix が消費者に提供している Gateway + プラス という名称の動画生成管理 システム(以下「Gateway+」といいます。)(注3)を使用すれば、既に用意されてい る画像を選択するだけで、誰でも簡単に動画を作成することができ、収益を上げるこ とが可能となると記載されています。 (注3)同名又は類似名の商品等と間違えないようご注意ください。(4) 本件ビジネスを始めるために必要であるとして、消費者を電話説明の予約へと誘導 します。 情報商材には、 「かんたん選択ビジネスへの申込みに関しては担当者よりお電話にて説明させて 頂きます」 などと記載されています。 消費者は、本件ビジネスの説明を受けようと考え、情報商材に記載された ferix の ウェブサイトにアクセスし、電話予約フォームに電話説明を受けたい日時を入力します。
(5) 消費者に電話で、高い収益を得るためには有料コースに入る必要があると執ように勧誘し、高額な料金を支払わせます。 ferix は、電話予約をした消費者に電話をして
「どうせやるなら 42 万円のコースにしませんか。年収約 500 万円は確実に稼げます。」 「家事の合間にポチポチやるだけで、1か月後には 300 万円稼げますよ。」 などと告げて、Gateway+の使用方法に関する電話サポートなどを受けることができるとして8万円から 150 万円の有料コースに入るよう、執ように勧誘します。 消費者は、元は取れるものと思い込み、有料コースに申込み、コース料金を ferix に支払います。なお、どのコースに入るかは、消費者によって異なります。(6) Gateway+について ferix は、有料コース料金を支払った消費者に対し、Gateway+の使用方法等を解説 したPDFファイルと共に、Gateway+を利用するためのID及びパスワードを付与 します。 Gateway+を使用すると、写真などの静止画像を動画に加工することができるよう になっています。消費者は、Gateway+を使用して作成した動画を動画共有サイトに投稿するなどし て、再生回数に応じた広告収入を得ようと試みますが、再生回数は個々の閲覧者の判 断に依存するため、誰もが簡単に稼げるような仕組みにはなっていません。
3.消費者庁が確認した事実
(1) ferix は、消費者に提供していた Gateway+の効果として、ウェブサイト上に「たった数秒間の作業でも 10 万円 20 万円 100 万円と現実的に稼ぐことが可能」、「本カリ キュラムでは画像を選択することで 100 万円以上の収益が現実的に見込めます」などと記載していましたが、100 万円以上の収益を得た消費者は存在せず、これらの記載に合理的な根拠はありませんでした。また、ウェブサイトには、街頭インタビューを 受けた女性が本件ビジネスを体験し 10 万円の収益を得たとする動画が添付されていましたが、当該女性は、消費者を演じるために雇われたモデルであり、同人が本件ビジネスを体験し、10 万円の収益を得た事実はありませんでした。(虚偽・誇大な広告・ 表示)(2) ferix は、消費者に対し、有料コースの電話勧誘時に「どうせやるなら 42 万円の コースにしませんか。年収約 500 万円は確実に稼げます。」、「家事の合間にポチポチ やるだけで、1か月後には 300 万円稼げますよ。」などと、確実に高額な収入を得ることができるかのように告げていました。(断定的判断の提供)
(3) ferix の代表者は、廃業する旨を述べていますが、平成 30 年9月 10 日現在、同社 の商業登記については解散登記も清算人選任登記もなされておらず、本件に関するウェブサイトもアクセスできる状態であり、今後も同様の消費者被害を引き起こすおそれがあります。
(4) ferix 以外にも、インターネットビジネスに関する消費者からの相談は数多く寄せられており、今後、別の事業者が今回の事案と同様の手口で消費者被害を引き起こす蓋然性が高いと考えられます。
4.消費者庁からの皆様へのアドバイス
○ インターネット上には、誰でも簡単に稼げるかのような表現を用いて、収益を得る ために必要と称して費用を支払わせる業者が数多く存在します。このような表現をうのみにして、費用を支払ったものの、想定していた収益が得られなかったなどとする 相談が数多く寄せられています。「誰でも簡単に稼げる」といった説明があれば、まずは疑い、甘い言葉に決してだまされないでください。契約をする前に冷静に考えましょう。〇 虚偽の体験談を用いて、誰でも簡単に稼げることをうたう業者も存在しますので、少 しでも怪しいと思ったら、すぐに契約をせず、行政機関の注意喚起などの被害防止に有 益な情報を活用してください。
○ 取引に関して不審な点があった場合は、お金を支払う前に、各地の消費生活センター 等や警察に相談しましょう。 消費生活センター等では、消費者から相談を受け、トラブル解決のための助言や必要 に応じてあっせんを無料で行っています。
こちらに、僕の分析をかきますね。
「 画像選択がベースの簡単な作業でお金を稼げる 」
◆ この手の詐欺に引っ掛かる人が多いのは?
1 「 簡単に稼ぎたい 」という欲を持っている人が多いから
2 この手の詐欺を知らないから
3 本当に稼げると思っているから( そう思ってしまったから )
4 結局のところ、ネットビジネスのことをよく知らないから
など。
◆ ターゲティングでいうと、
1 ネットビジネスは儲かると聞いたことがある人
2 パソコンの使い方やネットの利用に慣れていない人
※ 慣れている人は詐欺だと気が付く( スルーする )可能性が高い。
なので、ターゲットには入っていない。
3 慣れていない人は操作が苦手なので、
「 機械操作が苦手でも稼げる 」という言葉に反応する。
これで不安が解消される。
そこを突いている。
◆ 文章を分解すると、
「 簡単な作業 」という単語がフックである。
ただし、「 簡単な作業 」だけだと抽象的すぎる。
イメージがわかないし、信ぴょう性に欠ける。
そこで、
「 画像選択 」という言葉を使っている。
これは、自分でもできそうだと思える言葉。
この言葉で、
読者は自分がすることを勝手にイメージする。
また、難しい作業ではないということで間口を広げている。
結局、しなければならないことは、
画像の制作であり、選択ではない。
「 画像制作 」や「 画像処理 」という言葉であったなら
反応は少なかったはず。
言葉選びが良い。
◆ オファーについて、
特典の提示
「 今なら最大5万円キャッシュバック付き 」
「 今なら 」 で、
時間制限をし、さり気なく決断を急がせる。
◆ 心理的に、
上手くいかなくても、
初期費用の12,000円は確実に取り戻せる。
これが心理的に楽にさせる言葉になっている。
リスクがないことで一つの安心感が生まれる。
安心をすることで、
人は次の行動をすることができる。
次にすることとは、
計算をするということ。
50,000-12,000=38,000
「 上手くいかなくても38,000円は手に入れることができる 」
ということは、損はしない。
それどころか、利益が生まれる。
こう考える人が殆ど、
そして、次のアクションにでる。
◆ リストビルディング
次のアクションはメールアドレスの登録
メールアドレスを教えるということはハードルが低い。
住所や電話番号ではないので、
訪問されたり、
電話がかかってくることはない。
メールアドレスを登録しても何もリスクはないと思うので、
簡単に登録する。
◆ ブランディング?
社名が「 ferix 」動画管理システムが「 Gateway+ 」
どこかで聞いたようなネーミングで、
大手の関連会社かと感じさせている。
これで軽く安心感を与える。
例えば、
社名の「 ferix ( フェリックス ) 」は、
動画配信のネットフリックスと響きが近い。
便乗ブランディングともいえる。
考えすぎ?
◆ 洗脳?
初期費用を払った人に送られる
PDFの情報商材「 簡単選択マニュアル 」は、
教育コンテンツの側面を持っていると思われる。
「 より多く稼ぐには、もっと情報が必要だ 」
もしくは、「 有効な情報を得られれば、もっと稼げる 」
などと思わせている可能性がある。
気付きを利用しているのではないか。
◆ 方程式
そして電話へ誘導。
これが必勝パターン。
ここまでくれば、
高確率でいずれかのコースに申し込みをさせることができる。
あとは、どれだけ高額にもっていけるのか。
電話対応もマニュアル化されているはず。
電話の利点は、
やり取りができること。
細やかな対応をすることで取りこぼしを少なくしている。
相手の不安などを一つ一つ引き出し、
その全てを払拭することができる。
など。
やり取りができるという利点はやはり電話である。
文章よりも電話のほうがレスポンスも早い。
目的は、
全員に42万円コースを申し込ませるのではない。
相手の懐具合を探って、
出せるだけ出させている。
少なくてもいいし、
多いならそれに越したことはない。
◆ コピーライティング
「 現在○人待ちの状態です 」
「 1時間に2~3人ほどご案内させていただいておりますので、明日のお昼には お仕事のご案内が出来るかと思います。 」
この文章は反響が多いことを知らせると共に、
他にも大勢の人がもう行っていると思わせて、
バンドワゴン効果( 乗り遅れないようにしなくちゃ )を利用している。
教科書のようなコピーライティングだ。
◆ お客様の声
・ インタビュー動画で現実味をもたせている。
実際に稼いでいる人がいるのだと思わせる効果がある。
・ 動画の出演者は頭の切れそうな見た目ではないはず。
無個性で10人並みより少し劣る感じが有効。
この人にもできるのだから自分にもできると思わせる。
その為の捏造である。
◆ 言葉のチカラ
文中に「 現実的に 」という言葉が二回でてくるが、
使い方が文法的にはおかしい。
違和感を上手く使って印象に残るようにしている。
「 絵空事ではなく、リアルです 」
と感じさせたいのか?
その為に意図的におかしくしているのか?
もしくは、
うっかり口語で書いてしまったのか?
恐ろしいことに狙って書いている気がする。
◆ その他
――もっともらしく装って勘違いさせる。
こういう詐欺は昔からある手口である。
今回のケースは、
昔からある手口を、
インターネットを利用しておこなったという事。
根本は同じ。
ツールが違うだけ。
これは時代性。
以上、
ネットビジネス詐欺を分析してみました。
ちょっとでも参考になればうれしいです。
追伸:詐欺は絶対にダメですよ。
少しでも「おかしいな」と思ったら、
消費者ホットライン(188)や警察(#9110)にお電話を!
※ 諸事情により一時休止させて頂きます。
何かございましたら、問い合わせフォームよりご連絡下さい。