『 伝わる文章にするために 』
③ 思いついたことをそのまま書かない
ここでは伝わる文章を書くための方法をお話します。
思いついたことをそのまま書かないこと。
その 3です。
文章を書いているうちに、
つい思いついたことを書いてしまうことがあります。
その表現は浮いてしまったり、
意味が違ったりして、
伝えたいことが明確に伝わらなくなります。
例文
朝、出勤するとき玄関わきに、
壊れた姿見を粗大ゴミとして出した。
夕方、帰宅すると、
まだ回収されていなかった。
姿見が夕日を反射していた。
その時あらためて、
生活を共にした姿見を見て思った。
共に歩き、共に探し、共に笑い、共に感じ、共に選び、共に泣き、共に背負い、共に抱き、共に迷い、共に築き、共に願い……そんな日々を過ごしてきた姿見。
「 この家に住んでいる人がこれを使っていましたよ 」と
私のプライベートをご近所中に知らせたみたいで恥ずかしくなった。
この例文はコブクロの
「 永遠に共に 」の歌詞が
挿入されています。
黄色いハイライトの部分がそうです。
つい、
「 生活を共に 」
という言葉に引っ張られて
出てきたのでしょうか?
感傷的な気持ちの代弁にも合う曲だと思いますが、
この文章で一番伝えたいことは、
―― 私のプライベートをご近所中に知らせたみたいで恥ずかしくなった。 ――
ということです。
黄色いハイライトの部分がまるまる不要です。
もう一つ、例を挙げます。
以前、
知人と共同で仕事をした時のことです。
それぞれが個別に原稿を書いて、
何度か会って調節していくということで始めました。
しかし、1回目、2回目、
ともに知人は全くと言っていいほど
原稿を書いてきませんでした。
その時のお詫びメールをご紹介します。
例文
一度ならず二度までもご迷惑をおかけしてすみません。
今度こそは満身創痍で取り掛からせてもらいます。
満身創痍というと、
全身傷だらけの状態のことです。
または、非難を受けることです。
知人は怪我でも病気でもありませんし、
もう一つの意味をそのまま受けとめると、
僕が非難をしてそのことで心を痛めているみたいです。
それだと僕に対する嫌味になります。
「 自分、けっこうボロボロなんですよー 」
という気持ちが
書かせてしまったのでしょうかね。
よく知っている人でしたから
そうではないことは分かりますけど。
相手によっては謝罪文のはずが、
機嫌をそこねてしまいます。
くれぐれも、
思いついたことをそのまま書かないように
気を付けましょう。
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