かみ合った文章にするために 述語を抜かない 一貫性 因果関係

述語抜かない 文章の基礎
かみ合った文章にするために 

ここではかみあった文章を書くための方法をお話します。

文章をかみ合わせること。

3点紹介します。

 ① 述語を抜かない 

主語はなくても文は始まりますが、述語なしで文は終わりません。

そんな述語ですが、書き忘れることがあります。

『 体力を使う 』 『 知力を使う 』は、述語が同じなので、『 体力と知力を使う 』のように共用することができます。

『 本とテレビを観る 』これはおかしいですよね?

『 本 』は『 読む 』ものですから『 本を読んでテレビを観る 』となります。

 例文 

お電話での問い合わせは受け付けておりません。ホームページのQ&A欄か、メールでお問い合わせください。

微妙な気もしますが、『 Q&A欄か 』の述語がありません。

 手直し文 

お電話での問い合わせは受け付けておりません。ホームページのQ&A欄を参照していただくか、メールでお問い合わせください。

もう一つ、例を挙げてみます。

 例文 

このお店でアルバイトをしてよかったことは、美味しいまかないだけでなく、人との接し方を学べたことだ。

『 美味しいまかない 』の述語がありませんね。

 手直し文 

このお店でアルバイトをしてよかったことは、美味しいまかないを食べられただけでなく、人との接し方を学べたことだ。

では、ちょっと考えてみて下さい。

 例文 

わたしがケーキ屋を始めると言った時に、知人からバカにされました。悔しさと、絶対に成功してみせると心に誓いました。

『 悔しさ 』の述語が抜けていますね。

 手直し文 

わたしがケーキ屋を始めると言った時に、知人からバカにされました。悔しさを感じると共に、「 絶対に成功してみせる 」と、心に誓いました。

述語がないと文がかみ合わないことを分かって頂けたと思います。

会話なら通じることでも文にすると違和感がありますよね。

気を付けましょう。

 ② 文が一貫しているか 

書いているうちに理屈がかみ合わなくなることがあります。

文の中に矛盾する言葉を使っていたりします。

 例文 

僕は音痴なので、たまに音を外すことがよくあります。

『 たまに 』と言っているのに、『 よくある 』では矛盾しています。

 手直し文 

僕は音痴なので、よく音を外します。
僕は音痴なので、たまに音を外します。
では、もう一ついってみましょう。

 例文 

多分、日本人なら大谷翔平選手を知らない人はいない。

『 多分 』と推測の言葉で始まっているのに、『 いない 』と断定の言葉で結んでいるので、矛盾しています。

 手直し文 

大谷翔平選手を知らない日本人はいない。

言い切ってしまうと、「 そんなことはない 」と言う人が出てくるので、『 多分 』という言葉を使ってぼかしたのでしょうね。

それならこう書いてみます。

 手直し文 

日本人のほとんどが大谷翔平選手を知っている。

では、

試しに考えてみて下さい。

 例文 

節電のためにクーラーを点けずにいると、室内でも熱中症になることがあるから、健康はお金では買えない。

矛盾した言葉を使っていませんし、言いたいことは分かるのですが、強引に結んでいるのでかみ合っていません。

 手直し文 

節電のためにクーラーを点けずにいると、室内でも熱中症になることがあるから、健康のためにも節約はほどほどにしよう。

悪くはありませんが、この文を書いた人が言いたい(使いたい言葉)のは、『 健康はお金では買えない 』だと思うので、こうしてみました。

 手直し文 

節電のためにクーラーを点けずにいると、室内でも熱中症になることがあるから注意しよう。健康はお金では買えないのだから。
これで収まりがよくなりました。

 ③ 因果関係 

物事の原因と結果がかみ合っていないことがあります。

因果関係とは、ある物事の原因と結果の関係のことです。

 例文 

海洋汚染防止によるプラごみの削減が叫ばれています。

『 による 』は『 そうすることによって 』と言い換えることができます。

なので、『 海洋汚染防止をすることによって 』とすると文がおかしいことが分ります。

『 海洋汚染防止 』は原因ではなく結果ですね。

 手直し文 

プラごみの削減による海洋汚染防止が叫ばれています。

『 プラごみの削減をすることによって 』しっくりきますね。

また、より明確にするなら、

海洋汚染防止のために、プラごみの削減が叫ばれています。

如何でしょう? 順番を入れ替えました。

この方が分かりやすいですね。

では、別のパターンの因果関係です。

 例文 

梅雨の時期を多くの人が嫌うのは、洗濯物がなかなか乾かないだけでなく、傘を持ち歩くのが面倒だからということが多い。

梅雨の時期が嫌な理由を書いていたのですが、書いているうちにちぐはぐになってしまいました。

 手直し文 

梅雨の時期を多くの人が嫌うのは、洗濯物がなかなか乾かないだけでなく、傘を持ち歩くのが面倒だからである。

客観的に読んでみるとおかしなことに気が付きますが、実際に書いていると気が付かないうちにかみ合わなくなってしまうことがあります。

「 ~なのは 」と文を書き始めたら「 ~だからだ 」としめくくるようにすれば、因果関係がきちんとかみ合います。

ではでは。

エージロー

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