『 文章を簡潔にするために 』
⑤ 余計な前置きを削る
ここでは分かりやすい文章を書くための方法をお話します。
なにしろ文章は簡潔にすること。
その 5 です。
文字数をかせぐために
余計な前置きを書く人がいます。
余計な前置きは、
言いたいことがぼやけてしまいます。
思い切って削りましょう。
同じ職場に心理学部の大学生がいました。
「 『 殺意の領分 』という話を読んで主人公の心の動きを分析しなさい 」
という課題に頭を抱えていました。
「 レポートの枚数が多すぎだ 」
と言っていました。
あまりにも困っていたので、
前置きを伸ばす提案をして書いてあげました。(笑)
私が先ず、
『 殺意の領分 』というタイトルを目にして感じたのは、
とても人の心の奥深くをえぐるような作品だということです。
そこで、
『 領分 』という言葉に注目し、
先ずはその意味を調べることから始めました。
何故、
『 領分 』という言葉を用いたのか?
どうして
『 領域 』ではないのか?
そこにこの作品の作者の意図があるのではないか?
非常に気になりました。
このような書き始めでした。
文字数をかせごうという魂胆がモロバレです。
この後ものらりくらりと書きまして、
レポート 1 枚くらいはかせいだ覚えがあります。
?十年前の若気の至りですので、
時効ということで。(笑)
それにしても、
課題意図からずいぶん遠いところから始めています。
いつになったら本題にたどり着くのでしょうか?
知りたい情報がでてこないと、
読み手はイライラします。
注意して欲しいのは、
自覚がないまま余計な前置きを書いてしまうことです。
こうしてしまう人は
思いついたことをそのまま書きます。
なにしろ書き始めることで本題への道筋をつけようとします。
そして書いているうちに、
なんとか本題にたどり着きます。
もしくは無理矢理つなげます。
いずれにしても
分かりやすい文書にはなりません。
学生の文字数かせぎなら
教授の苦笑いで済むかもしれません。
でも、
情報発信の記事や、企画書、提案書などにおいては、
伝えたいことが伝わらなくなります。
苦笑いでは済みません。
書き終えたら確認して下さい。
折角書いた文章でも、
余計な前置きは思い切って削りましょう。
- 『 殺意の領分 』は 弘兼憲史さんの『 ハロー張りネズミ 』という漫画の一話です。講談社・週刊ヤングマガジン・全24巻
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